STSK72K スパトレイル〔四万to草津〕の参加者の中で一番走っていない人が完走した話

前回の宣言どおり完走いたしました。2018/6/24に開催された「スパトレイル〔四万to草津〕」、72キロのレースです。初参加。制限時間は13時間。朝5時にスタートし、夕方の6時までにゴールする必要があります。当日の天気は晴れ。"ど" ピーカンというべき晴れ。参加者たちは、まだ梅雨明けしていないということを忘れてしまいました。大会プロデューサーである、世界的トレイルランナーの鏑木毅さん曰く「晴らしました」。スタート地点のある中之条町の当日の最高気温は30℃。ゴール地点のある草津町は標高が上がって若干気温は下がるもののそれでも25℃。長距離ランニングのレースにとって暑さは強敵となります。特にロングレースでは必要な水分量も増え、自分で運ばなければならない水の量が増えることになります。もちろん重い。補給食や緊急用のアイテムの携帯も義務付けられているため荷物はおおよそ3.0kg。コースの途中でエイドステーションや給水ポイントがあるので、全量を持つ必要はないのですが、それでも僕は1.5リットルの水を持ち、途中3回、満タンまで補給してもらいました。

今回の最大の敵は間違いなくこの暑さで、途中でお会いした3回目の出場のおじさんも「前回は11時間でゴールできたけど、今回は暑さにやられたので無理」と62キロ地点でぼやいておりました。(そのおじさんにハイケイデンスで疲れない山登りを伝授いただきました。ありがとうございました)僕は暑い中を走るのはそれほど苦ではなく、炎天下の中を走っても熱中症っぽくなったことは無いですし、汗で全身ずぶ濡れになりながらも淡々と走っていられました。天気予報で暑くなることはわかっていたので、早めの水分補給と約30分おきの塩タブレットによる塩分補給を徹底して乗り切りました。途中の山中では、ぐったりしたおじさんが横たわっていたり(もしくは気持ちよさそうに眠っていたり)、壁にもたれかかったりしていましたね。みなさん顔面蒼白で燃え尽きた感が出ておりました。熊に襲われないことを祈りつつ、パスさせていただきました。なむ~。(もちろんみなさんご存命です)

2つ目の敵は、今回だけの特別な敵でした。先日の雨によりコースの一部で土砂崩れが発生し、17キロ地点から即席で作られた迂回路を通ることになったのですが、ここで大渋滞が発生。約40分のロス。もしかしたら人生で一番並んだアトラクションかもしれない。(ちなみに1つ目のトイレも渋滞で15分のロス。これも地味に痛かった)迂回路は急な斜面をロープでズルズルと降りる必要があり、一度に一人ずつ、時間をかけて降りる必要があります。このため大渋滞が発生したのでした。あまりに暇だったのと、この出来事をネガティブに捉えてレースの後半に響くのも嫌だったので、近くの人にお願いして写真撮影。大勢を抜き去るような写真が撮れました。

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 ↑ たまたま後ろにいた人に撮ってもらいました。快く引き受けてくださり、ありがとうございました!

暑さと大渋滞による時間のロス。途中の関門は時間延長になったものの、フィニッシュ地点の制限時間は変わらず13時間のまま。渋滞した分を取り戻すべくスピードを上げなきゃいけないし、スピード上げると暑くてキツいしで多くの選手たちが苦しめられたことでしょう。今回の完走率は52.9%。前回2017年の完走率は77.0%。2015年と2016年も70%台だったので、やはり今年はキツかったっぽい。「晴らしました」はいいけど、「晴らしすぎ」です。

 

それでもこの大会は素晴らしかった。第1エイドから野反湖へ続く「極上トレイル by 鏑木さん」、野反湖の美しい風景、56キロからの階段地獄、温かいエイドのスタッフの皆様。どれも素晴らしかったです。このようなレースに参加できて幸せです。ありがとうございました。

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↑ スタート時の光景。大会プロデューサーの鏑木毅さんと松本大さんがランナーとハイタッチ。

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野反湖近くの高原の風景。眩しい青空に高山植物が美しい。

 

なぜ僕がこれだけ(前回を参照)の練習で完走できたのか。大会は前日入りが必要だったので、移動中のバスでとなりになったおじさんや、旅館で相部屋となったおじさんにどれだけ練習しているか聞いたところ、やはり月間200キロ~300キロはざらで、中には400キロというツワモノものいました。

僕は練習では以下のことをしてきました。

  • 距離を決めて走るのではなく時間を決めて走る。20キロ走るではなく2時間走る。
  • できるだけクロスカントリー走をする。硬いアスファルトは極力走らない。
  • 練習序盤にペースを上げて追い込んでからロング走。ガチゆる走のロング版&クロスカントリー版。

本番では以下を実践しました。

  • 2日前からカーボローディング。2000kcalを体内に貯め込むようにする。
  • 補給は早めに。最長でも45分以内にはジェルなど補給。
  • 上りはできるだけ歩く。フラット~下りは全部走る。特に下りは早め。

今回は特に下りの走りを効果的に進められた気がします。下りでは抜くことは多かったけど1回も抜かれなかったと思います。結局、よく言われることを淡々にやるということが大事なのではと思います。

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↑ ランナーが最後に目にする表示。「72k」。ゴールはあと少し!
 

次回もできれば参加したいと思っています。この記事を読んで次回の参考にしていただければ幸いです。読んでくれてありがとうございました。